先日市の1歳半健診の歯科担当として出務したしました。すると最近の保護者の方々はお子さんの歯の健康に対する意識が高く、様々なご質問をお受けしました。

中でも歯磨剤(歯磨き粉)についてのものが多く、どんなものを使ってよいのか、フッ素は良いものなのかなどに関心が集まっているようでした。

まずフッ素とは口腔内でどのような効果があるのかについてご説明いたします。歯のエナメル質をフッ素により虫歯になりにくくする効果があります。脱灰(ごく初期の虫歯)部分を再石灰化することにより、虫歯の悪化を防ぎます。近年歯科の詰め物にもフッ素配合や、フッ素の取り込み放出(リチャージ)できるものが多数開発されており、今や虫歯は減少傾向にあります。

しかし良いことばかりではなく注意点もあります。まずはフッ素濃度ですが、単位はppmで表示されるのが一般的となっています。このppmが現在1500まで国が認める濃度となっています。年齢により以下目安となっています。

6歳以下     使用は控える(医師・歯科医師の判断のもとで使用)

6歳から14歳  1000ppmで歯ブラシの半分ほどの長さで使用

15歳以上    基本的に制限はない

となっています。特に小児の場合急性中毒により死に至るケースや、慢性中毒により永久歯に白い斑点ができたりします。急性中毒も恐いですが、慢性中毒の斑状歯は石灰化不全によるもので、最初から虫歯のリスクが高く見た目にも変わった白になってしまいます。用法・用量を守って正しくお使いください。

またフッ素配合歯磨剤を使っているから虫歯にならないわけではありません。あくまで強化であり虫歯に関連する菌を殺菌しているわけではないので、やはりまずはブラッシングが大切です。

日根野谷歯科医院