今回は現在広く使われるようになりましたコンポジットレジンとは何かについてご説明いたします。

レジンとは本来は天然の樹脂を指すものですが、今では合成樹脂の意味合いも同義として扱われるようになりました。

樹脂なんていうと柔らかくて歯の治療に使えるのかと疑問を持たれますが、発明当初から80年経った今では小さな虫歯には第一選択の治療法になりました。当初金属による虫歯でできた穴の修復しかなかった頃は、白い詰め物ができ画期的な発明とされましたが、圧縮・衝突・摩耗などに対する脆弱性や硬化の際の膨張・縮小が問題となり即時に金属の代替治療にはなりませんでした。しかしながら決定的に色が綺麗という利点からコンポジットレジンの開発は進められ、強度はもちろん色調も様々なものができました。かつコンポジットレジンによる虫歯治療は保険適応となりました。

今のコンポジットレジンの主流は光硬化型で、虫歯をとった穴に流し込んで光で固めるものです。あまり詳しくはありませんが、手芸やアクセサリーやネイルアートにも使われているそうです。もちろん歯科で使われているコンポジットレジンはそれらに比較して強度は格段に上です(手芸に詳しい方に聞くと歯科用は固すぎ、色も白っぽいのしかないから手芸に向かないとのこと。やはりそれぞれの用途に開発されているみたいですね)。光で固めるということは光が届く範囲ならば充填できるということです。つまり虫歯の部分のみを削って極力健康な部分は触らない治療が可能ということであり、削らなければいけない虫歯におけるMI(Minimal Intervention:最小限の侵襲)治療に近づけるということです。

とはいってもさすがに金属ほどの強度はなく、立体的な修復にはまだ苦手な部分があります。簡単にいうと、穴を埋めるには適しているが大幅に歯が欠けているところには不向きであるということ(そうなってくると金属に匹敵する強度かつ白さをもつジルコニアが選択されますが、それはまた後日に)。

現在でも開発は進められており、歯科材料の中でも進化が著しい材料です。近未来にはコンポジットレジンのみで大半の修復ができるようになるやもしれません。実績の得られた材料と確認されれば、当院でも最新のものを導入してまいります。

日根野谷歯科医院